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地域の「竹」を活かした粉砕加工・製品開発に取り組んでいます
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適切に加工された 粉砕された竹「竹粉」

弊社はスギなどの木を粉砕加工した品質の高い「木粉(もくふん)」を製造しておりますが、竹を粉砕加工した「竹粉(ちくふん)」も製造し、用途開発を行っております。今回は、竹粉の製造についてご紹介します。

いろいろな地域素材の粉砕にチャレンジすることで、それぞれの素材の特性に応じた加工ノウハウも習得でき、主製品である「木粉」の品質向上にも技術を生かせております。

それでは、木粉と竹粉の違いや製造工程での注意点・活用方法などをご紹介します。

徳島県は全国有数の筍(タケノコ)の産地であり、竹資源が豊富にあります。

みなさんは徳島県と聞いても、タケノコや竹のイメージはあまりないのではないでしょうか?タケノコと聞くと、やはり京都などをイメージするのではないでしょうか。しかしながら、徳島県は20数年前まではずっと全国1位を守っていたようなタケノコの一大産地なのです!(実は徳島県内でももあまり知られていません。)

そのため竹林はたくさんありますが、生産者の高齢化、輸入材との競争により徳島県内のタケノコ生産量は一時より減少しています。(とはいえ現在でもタケノコ生産量全国5位)また、プラスチック製品などの普及により、竹を材料とした様々な製品(昔はいろいろなものを竹で作っていました。たとえばザルなど)が作られなくなっています。

管理された竹林の様子

タケノコが掘られなくなるとそのまま大きく成長し、竹になります。また、竹も使われないことで竹林が拡大して周りの植生に侵食する「竹害」という問題が近年各地で増えているようです。スギやヒノキの人工林にも、竹が入ってくると竹が勝ってしまい、スギやヒノキがうまく育たなくなってしまうと山主さん・山守さんからもお聞きします。

そこで、徳島県内では豊富にある地域資源である「竹」の有効活用にも取り組んでいます。竹細工、ランプなどの工芸品の他、繊維・竹粉などの素材、チップ化した燃料などに活用されています。弊社では、木粉化する粉砕技術を活かし、竹の粉砕加工にも対応しております。粒度についても、木粉と同様に用途に合わせた対応が可能です。

竹粉化する際の竹の部位としては、枝葉を除く筒の部分を使用しています。

加工に用いる竹

竹製品には「抗菌作用」や「乳酸発酵」による効能がPRされていることもありますが、実は適切に管理しないと加工が非常に難しい素材でもあります。

抗菌作用は確かにあるのですが、抗菌成分が含まれるのは皮の表面であり、中心部にはほとんど含まれません。また、乳酸発酵させるためには、適切な水分や温度条件のもと、雑菌が入らないように注意が必要です。間違った処理を行ってしまうと、抗菌成分も発揮されず、また発酵というより腐敗により真っ黒になり腐ってしまいます。竹って非常にデリケートな素材なんです。

竹 粉砕加工の適切な処理・管理

竹を適切に加工するにあたり、一番の課題は「水分管理」です。竹はもともと水分を多く含む素材ですが、この水分を除去し、最終的に水分率10%以下まで乾燥を進めることにより多用途に活用できる高品質の竹粉とすることができます。

まず、粉砕工程に進む前に、竹を程よく乾燥させます。下の写真では、天日乾燥を行った際の写真ですが、伐採時は青々としていた竹も乾燥が進むにつれて黄色い色に変色してきます。

粉砕工程の前に、乾燥が進められる竹

竹粉原料からは除外する古竹(竹チップなどに活用されます)

最後に粉砕機に投入し、粉砕を行えば竹粉の完成です。粉砕の条件などはスギやヒノキとは異なり、竹の素材に合わせて調整をおこないます。適切な処理により粉砕された竹粉は、竹素材の淡い黄色のきれいな色をしています。細かく粉砕すれば白色に近く、500μm程度の粗粉砕にすれば節の色など、素材感が残ります。水分管理がしっかりとできているため、管理下で長期保管していても腐敗や発酵などはせず品質が保持されています。

竹粉 きれいな淡黄色が良い品質の証

道路脇の竹が問題になっていましたが、竹の伐採により見通しもよくなり、かつ道にかぶさる危険性もなくなったようです。竹が有効活用されることにより、環境保全にも貢献します。

伐採後の竹林

那賀ウッドでは、竹粉を用いた「WPC製品」や「塗り壁」などの竹製品も販売しております。是非お問い合わせください!

3月になり、タケノコはボツボツ出てきだしてます!最近はお天気が続いていますが、一雨くると一気にタケノコさんも出てきます。

この時期の一番の竹の活用は、やはり「タケノコ」を食べることです(^^) 名産地・徳島のタケノコを是非ご賞味ください!

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